「台湾語」の中で、日本語由来の言葉
いくつか日本語から由来する「台湾語」を挙げてみましょう。
①日本語の漢字はそのまま使い、発音だけ台湾語特有である言葉:
◎注射=(ツゥーシャー)
◎病院=(ベンイン)
◎注文=(ツゥーブン)
②日本語の発音をそのまま使う言葉:
◎おじさん=オジサン
◎おばさん=オバサン
◎あっさり=アッサリ
(台湾語の意味ではずるずるしないような態度を指すことです。)
◎あさぶろ=アサブル(ろ→るに変えた)
(台湾語の意味では朝風呂をするような人で遊びばかりチャラい人の比喩です)
③日本語のカタカナ言葉をそのまま利用した言葉:
ビール、ライター、サービスなど。
「台湾語」から「台湾華語」へのスイッチ
さて、長らく台湾人の言語として使われてきた「台湾語」ですが、1949年以降、台湾では国民党による体制になってから、いわゆる北京語が国語とされ、学校でも北京語による教育がなされるようになりました。これが「台湾華語」です。
もっとも、急に北京語に日常生活がスイッチできるわけもなく、もちろん台湾語もそのまま日常で使われてきました。
現在も60歳以上の年配の台湾人は、まだまだ「台湾語」を使っています。
もちろん、彼らも「台湾華語」をしゃべりますが、「台湾華語」を使っていても「台湾語」の発音訛りがあるのです。
つまり、台湾語訛りのある北京語が「台湾華語」と言えると思います。
現在の若者たちの台湾華語の発音には台湾語訛りは少なくなりましたが、まだまだ家庭では台湾語で話したりしますし、台湾華語で話していても、会話の所々に台湾語の表現を使ったり、台湾語も混ぜて会話したりすることが一般的です。
ビジネスの場面においても、相手が台湾の老舗企業でしたら、敢えて「台湾語」で話しをしたり交渉することによって、より物事が進みやすくなるという話もよく聞くのです。(続)
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