今回は、世界三大宗教行事の一つとされる台湾の一大イベント「大甲鎮瀾宮媽祖遶境(大甲鎮瀾宮媽祖巡礼)」に参加させてきましたので、その体験を報告します。
最初に台湾の宗教事情についてお話します。
台湾に訪れた方はご存知だと思いますが、台湾では街中から田舎まで、カラフルなお寺を多く見かけます。また、街中のお店の前やビルの前に、ちょっとしたテーブルが設置されて線香が置かれ、果物やスナック菓子などのお供えものも並べられ、そこに人々がお参りしている光景を見かけたこともあるのではないでしょうか。
一見、とても宗教熱心に見えるかもしれませんが、宗教の戒律に厳格に従っている感じではありません。何かの宗教に属しているという感覚は無く、イベント参加のようなゆるい感じです。このあたりは日本と似た感じです。
ところで、日本ではお寺と神社は別ですよね。日本古来の神道では神様、仏教は仏様。神社に仏様はいないですし、お寺に神様はいないと思います。
ところが、面白いことに、台湾ではお寺に神様がいるのです!
これは、台湾では「仏教」だけでなく「道教」が根深く社会に根を張っていること、「仏教」も「道教」もどちらの施設もお寺と呼ぶこと、そして「道教」のお寺には神様が祀られていることがその理由です。ちなみにカラフルなお寺は「道教」のお寺です。
道教は日本では宗教というより道徳の一つと捉えられていると思いますが、台湾では仏教とも寛容的に結びついた多神教の紛れもない宗教なのです。
よく日本では商売の神様とか、学問の神様とか、そういった神社がありますが、台湾では道教のお寺がそれにあたり、それぞれのお寺にそれぞれの分野に得意な神様がいらっしゃるのです。(続)
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